「仮称:柏崎刈羽原子力発電所の安全運転を確保する地域の会」
設置に向けての基本的な考え方
平成14年12月19日
新潟県、柏崎市、刈羽村、西山町
1. 趣旨
本年8月、東京電力(株)による自主点検作業記録不正事件が明らかとなり、地域住民の安全・安心の一つの拠り所であった発電事業者に対する信頼が著しく損なわれたことはもとより、国の規制のあり方や立地自治体の発電所監視体制についても大きな波紋を投げかける結果となった。
この様な事態を受け、事業者はもとより国、自治体においても再発防止策が検討されているところである。
とりわけ、原子力発電の安全性については国が一元的に責任を持つべきものであり、原子力に対する信頼の最後の拠り所は、事業活動を規制・指導する国への信頼に他ならず、これを立て直すこと抜きには信頼の回復は有り得ないものであるにもかかわらず、先般発表された対策の中間発表では必ずしも十全とはいえず、関係自治体として、原子力安全規制体制の更なる強化を要請していく必要がある。
そもそも、このような事案が生じた背景には、いくつかの要因が挙げられるが、特に原子力の閉鎖性・不透明性が未然防止・早期発見の妨げになったことが強く指摘されるところである。
したがって、立地地域としては再発防止のために発電所の透明性確保に力点を置くという観点から、国とは異なる視点で補完的に「監視」を行うことが必要であり、専門家の助言を得ながら監視体制の強化を図るとともに、国、事業者に対し「情報の公開」を強く求めていくことが必要であると考える。
2.「仮称:安全運転を確保する地域の会」
その具体的方策として、立地地域の多様な代表メンバーの参画のもとに、第三者的機関「仮称:柏崎刈羽原子力発電所の安全運転を確保する地域の会」(以下「地域の会」という)を設置し、立地地域住民の視点・立場から原子力発電所の安全性確保に関する事業者の取り組みや国の規制・検査、関係自治体の監視活動等を確認するとともに、指摘・要望等を行い、かつ、その結果や得た情報を地域住民に分かり易く客観的に提供することとする。
この場合、特に事業者はこの委員会の活動に積極的に協力し、必要な情報公開のもとに納得の得られる報告・説明を行うことが不可欠であり、その点は事業者との申し合わせにより明確化することとする。また、国に対しても本委員会に積極的に協力するよう強く要請していくこととする。
3.柏崎刈羽原子力発電所情報共有会議(仮称)
また、本委員会の活動を集約する場として、国、関係自治体、事業者が一堂に会した中で、説明を受け・意見・要望を行う(情報共有会議)を定期に開催することとする。
「地域の会」と「情報共有会議」について
- 「地域の会」は住民代表のみによる集まりであり、年○回程度定期的に開催し、事業者から情報を得、意見交換等を行うほか、臨時的あるいは随時に、自主的に会合等を持つことができることとする。
- なお、年○回程度の定例会は、事業者、(国)、関係自治体、も含めて「情報共有会議」とする。
- 「情報共有会議」は「地域の会」に事業者、(国)、関係自治体を加え、「地域の会」とこれら団体の情報提供・収集、意見交換等の場とし、年○回程度開催する。
- いずれも事務局は柏崎原子力広報センターを考えている。
※○の箇所は、この時点では未定だった
4.地域の会準備会
本委員会の設置にあたっては、「住民参加」の観点から地域の各種団体からメンバーを募り「準備会」を立ち上げ、地域の会の具体的構成、活動内容、基本ルール等を準備会メンバーのフリーハンドの議論により構築するものとする。